シャボンの国 -the land of soap bubbles-
「リルは繊細なとこがあるからな。きっと母上の言葉がプレッシャーになってるんだよ。大丈夫。そのうち勝手に発動するさ」




にっこりと笑いかけたカイルにようやくリルは笑みを落とした。




「…そっか!兄上ありがとう!」




風に靡くオレンジの髪はいつ目にしても心に安らぎや温もりを与えていく。




母が亡くなってしまった事でポッカリと空いてしまった心の穴は、いつしかリルが埋めてくれるようになっていた。







だが。




事態は変わる。



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