シャボンの国 -the land of soap bubbles-
あまりにアッサリと口にするものだから、その言葉を理解するのに僅かに時間がかかってしまった事を覚えている。



そんな花音にカイルは続けた。




『俺だって、もう大事な人が居なくなるのは嫌だから。それに他の女と結婚なんてごめんだ。だから花音、』




その目は熱く、熱を孕み花音を射抜く。




『死ぬ時は一緒に死のう』




まるで指切りの代わりとでも言うように唇に落とされた感触。




頷いた花音を見てカイルは更に言葉を落とした。




『俺らが死んでも大丈夫なように早く子供作んねぇとな。今から作るか?』




もちろんその言葉には全力で抵抗したのだけれど。
< 232 / 234 >

この作品をシェア

pagetop