シャボンの国 -the land of soap bubbles-
リビングへと戻った花音にカイルはどこか楽し気な笑みを落とす。




「花音、お前何逃げてんの」




ニヤニヤと笑いながら近づいてくるカイルに対し、花音はジリジリと後ろへ下がる。




「いや、別に逃げてなんかないし、」




しどろもどろになりながら、言葉を落とした花音。そんな花音にカイルは更に楽しそうに距離を縮めていく。




「へぇー。ならこっち見ろよ」




「…っ、馬鹿じゃないの?!ちょっと無駄に近寄らないでよ!」




これまで特定の恋人も居なかった花音にとって異性の裸など免疫があるハズもないのだ。




それをわかっているのか、どうかは別として―――、カイルは壁に追いやられた花音の前に立ち塞がり、逃げ道を塞いだ。
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