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欲しいものなんてこれっぽっちもないから。
いつもお祖母様のこの質問には参っていた。
親戚が集まり、各自様々なプレゼントを用意してくれるけれど、イマイチ嬉しいのかわからない。
だから、いつも私はこう言い逃れるんだ。
「お祖母様が選んでくれるものが一番です」
その一言で、お祖母様は少し困った顔をするけれど、私もその顔に慣れているからまったく動じることはなかった。
もともと欲がない子供だなんて言われてきたから、お祖母様もわかりきったことなんだろうけれど。
「……お前さんが生まれた年にね、桐の木を植えたんだよ。気づいてはいないだろうと思うけれどね。お前さんが家庭を持つことになったら、その木を切り落として桐の箪笥(たんす)にするんだよ。楽しみだねえ」
いきなりお祖母様はそんなことを言い出したものだから、私ははっとした。
きっと、私から欲しいものを言わなければいけない、と。