恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
「あたしの方が年上なのに。いつも助けてもらってばっかなのに。きっかけなんてちょっとした事だったの。その子の話聞きもしないで、突き離しちゃった」


聞く耳持たずに、もう話しかけるなって。


あの子はいつもあたしの話、ちゃんと聞いてくれてたのに。


あたしは聞いてあげることもしないで、もう話しかけるなって。


……言っちゃった。


海斗に。


この島に来た日から、気付けばいつも救われている。


島育ちのくせに、日光に当たった事もないような色白の肌をしていて。


真っ黒な髪の毛と、不自然なくらいに真っ黒な瞳と。


まるで氷水につけたようなひんやり冷たい手のひら。


「助けてくれるんだ」


この島に来た日から、ずっと。


右も左も分からないあたしを助けてくれていたのは、他の誰でもない海斗だったのに。


「いつも、助けてくれるんだよ」


あたしが泣いた時も。


あたしが浜のガジュマルの木に触れたあの日も。


「助けてくれたの……あの子」


あたしが熱を出して倒れたあの日も。


「それなのに、ひどいこと言って突き離して、傷付けちゃったのかもしれない。どうしよう」


どうしたらいい? 、と聞いたあたしを悠真は小さく笑い飛ばした。


「そんなん簡単なことやっさ」


「簡単?」


「陽妃の気持ちひとつやしが。陽妃の行動ひとつやっさー」


「あたし、の?」


「やさやさ」


頷いた悠真がやわらかく微笑む。


とても短い沈黙のあと、悠真が続けた。
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