恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
「電池か何かで光ってんのかな」


どんなカラクリなのか、といろんな角度から見ていると、おばあのしわしわの手がぬうっと伸びて来て、


「うりー(ほら)、こうしてみよーさい」


石の周りに囲いを作る。


「ジンジンみたいやっさーろ?」


「ジンジン?」


「ジンジンやホタルのことさ」


本当だ。


手のひらに水色の蛍を乗せているみたいだ。


「ほんと。きれいだね」


吸い込まれそうになる。


「ねえ、おばあ」


「何か」


「これって、何で光ってんの?」


石を見つめながら聞くと、おばあが教えてくれた。


「ティーダぬ光を吸収して、暗いところでジンジンのように光るんだしよ」


「てぃーだ、って何?」


「ティーダや太陽のことさ」


淡い水色の光越しに、おばあと目が合う。


やさしい目を、おばあはしていた。


「ちゅら玉やうちなーぬ(沖縄の)不思議な石さ」


「ちゅらだま?」


「いー、そうさ。あかー(赤)しるー(白)ちいる(黄色)おーるー(青)。いろんな色があんしが。みじ色(水色)や信頼感を高める色だしよ。元気をくりゆん意味があんだしよ」


胸のあたりがチクと痛んだ。


「信頼……か」


今、あたしが逃げていることだ。


「よく見てみよーさい」


おばあが、石を指さす。


「くりやひとつひとつ手ぃ作りわけよ。やっさーから、光り方もそれぞれ違うんだしよ」


「手作りなの、これ」


「いー。やさしい色さー」


そう言われて、ハッとした。


この色は、まるで、海斗だ。


そう、思った。


「ねえ、おばあ……」

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