幻想館-赤ずきん編-

真紅

<幻想館>



ザッ・・・・・・・ザザッ・・・・


ノイズが走り、画面は白くなり、映像は
止まった。

シーンと静まり返った空間。


コトッ・・・


静寂の中に、ティーカップをゆっくりと置いた音が響いた。



真実。


真実とは人によって似て異なるもの。



己の願う「真実」こそが、

そうあって欲しいと言う思いが、


自分自身にとっての「真実」なのです。



例え、それが周りから視た「偽り」だったとしても・・・・・・




彼女が望んだ結末。



それこそが、

彼女にとっての

「真実」で「幸福」なのです。





アナタもそうは、
思いませんか?




あぁ、申し送れました。


わたくし、この幻想館にて館長を務めている者です。




え、これですか?



単なる童話ですよ。



よければ、

ご一緒にどうですか


紅茶でも
飲みながら・・・・・・・。




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