お嬢様の本音


私は、世界一大きいと言われている有名なホテルの社長、桜咲 真一の娘の一人。


三女の桜咲 姫華だ。


五年前、長女の桃華姉さんが駆け落ちしてからホテルの後継者は私になった。


次女の羽華姉さんは体が弱くてずっと病院にいるから後を継ぐ事はできない。



もう婿養子も決まっていて、式は丁度二年後の18歳の誕生日だ。


桃華姉さんが家を捨てたあの日、父にそう言われた。



それから誕生日がくるのが大嫌いになった。



そんなに嫌なら、桃華姉さんと同じく家を出ればいいのかもしれない。


でも、私には駆け落ちするような相手は疎か、恋などしたことはなかった。


それに・・・

私には、今まで大事にしてくれた優しい、大好きなお父様を裏切るなんてできなかった。



でも、私にはパティシエールになるという夢がある。


昔、忙しくて私の相手ができないお父様とお母様の代わりに遊んでくれたお兄ちゃんが、泣いていた私にケーキを作ってくれた。

その時からの夢だ。


私もあんなに美味しいケーキを作ってみたいな・・・。

< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop