あなたは先生。あたしは生徒。
返事が怖い…。



「は?」

「だから、高木さんとキスしたの?」



大和の返事を待つ。



心臓が爆発しそうなくらいドキドキしてる。



「誰が言ってた?」

「高木さん。」

「高木か…。あいつ…。」

「答えてよ。」

「されそうになっただけ。してねぇよ。」

「本当?」

「本当。不安になった?」

「なった。ってか今も…」

「お前が心配するような事はしてねぇよ。アイツが勝手に言ってるだけだろ。」

「うぅぅ…」

「花?」

「大和…。」

「泣いてんのか?」

「うぅぅん…」

「ちょっと待ってろ。またかける。」



それだけ言って電話が切れた。



あたしの涙は止まらない。



不安の涙?



安心の涙?



大和に会いたい…。



大和からの折り返しの電話はまだない…。



その代わりに鳴ったインターホン。



こんな時間に誰?



あたしはそっと覗き穴から外を見た。



大和!?



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