泣き顔にサヨナラのキス
   

ど、どうしよう。


こんなところで喧嘩なんて……


止めなきゃと想うのに、言葉が何にも出てこない。


孝太は身動ぎもせず、原口課長を睨んだままで。


何かもう一つ切っ掛けさえあれば、原口係長に掴みかかってしまいそう。


それなのに、原口課長ときたら、ゆっくりとお茶を飲んでいる。



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