泣き顔にサヨナラのキス
     

「好きな人と結婚するのに、ホストなんて。あたしには考えられなくて」


「……そうだな」


しばらく黙っていた原口係長は、涼子さんに冷酒をもう一本とグラスを頼んで、あたしにも冷酒を勧めるとゆっくりと話し出した。


「最初に言っておくが、お前の事は全くもって関係ないから安心しろ」


「そ、そんな自意識過剰じゃありません」


なんだか恥かしくなって、冷酒を喉に流し込んだ。


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