泣き顔にサヨナラのキス
あ……。
また、原口係長にこんな顔をさせてしまった。
あたし、何をしているんだろう。身体のことを心配してくれたからって調子に乗って。
バツが悪くて、俯くあたしに「明日か、いいよ」と低い声が落ちてきた。
「ほ、本当ですか?」
「ああ。じゃ、そろそろ行かないと」
出ていく原口係長の背中を見送って、やっぱり好きだと想った。
もし、原口係長に特定の人が居ないのなら、頑張ってみてもいいのかな。
ドンドン好きが加速する。
もう、自分では、どうすることも出来なかった。