泣き顔にサヨナラのキス


「ぁっ……あ、イヤ。もう、ダメっ……」

薄暗い部屋の中、顔を苦痛に歪めて、声が出そうになるのを我慢する。


「じゃ、止めるか?」

原口係長は動きをピタリと止めて「どうする?」と意地悪な笑みを浮かべる。

そして、あたしの顔を覗き込むように近付くと、耳朶を軽く噛んで首筋にゆっくり舌を這わしていった。


「ぁぁ……」

甘いため息が漏れる。

身体が震えるあたしを満足そうに見下ろすと、今度は「どうして欲しい?」と囁いた。

その甘い響きを持った低い声が、脳内をジワジワと酔わせていって……





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