泣き顔にサヨナラのキス
 

「……もっと……キスして」

身体の奥から込み上げるゾクゾクとした感覚に支配されると、いつも「もっと」と懇願してしまう。

原口係長は優しく笑って、あたしの頬を撫でると「可愛いよ」とキスを落とす。


舌を絡めとられ、呼吸もままならないのに、唇が離れていくのが、どうしようもなく寂しい。


「んっ、……好き」

「知ってる」


いつだって原口係長は余裕で、夢中になるのはあたしばかり。

あたしのことを知って欲しいのに。 これでは、まるでセフレみたい。




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