泣き顔にサヨナラのキス

 
「あの人はさ、そういう上司だから」


不意に原口係長が口を開く。


「えっ?」


「……取り敢えず、飲みに行くか?」


「そ、そうですね。
あの、メールのチェックだけ、させて下さい」


パソコンの電源を入れて、ざっと目を通す。


緊急性のある案件は、なさそうだった。


次に机の上のメモをチェックして、最後に電源をオフにした。


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