泣き顔にサヨナラのキス
金曜日、あたしは原口係長の部屋に来ていた。
食事の後、シャワーを浴びていつものようにベッドに入る。
もう何度も繰り返していることなのに、今夜は取り分けドキドキしていた。
シャワーを浴びた原口係長が濡れた髪のまま寝室に入って来る。
これも、いつものことだった。あたしは原口係長の首に掛かっているタオルを掴んでその頭を軽く叩く。
「髪ぐらい乾かしてくださいって、何度も言っているのに」
原口係長は意地悪な笑みを浮かべて「待たせると悪いと思って」とあたしの頬にキスをする。
原口係長の骨ばった指が、撫でるように肌に触れると、身体から力が抜けてしまう。
そのまま、ベッドに押し倒されて。