泣き顔にサヨナラのキス
人込みを避けるように路地に入って住宅街の方に向かう。
田中君に促されるままコンクリートの階段を上がっていった。
途中、何度も「足、大丈夫?」と気遣ってくれるから、浴衣なんか着なければ良かったと思った。
「あの、野上さんたちは?」
「場所は教えてるから、先に行ってるんじゃないかな」
田中君お勧めの穴場スポットの公園まではあと少しだった。
並んで歩いていると、ふとした弾みで身体が触れてしまう。
その度に、居た堪れない気持ちになった。