泣き顔にサヨナラのキス
 

 
店の中に入ると、鮮やかな生花が品良く活けられいた。


僅かに香る甘い花の匂いにうっとりしていると、原口係長に軽く背中を押されて奥のカウンター席に着いた。


「あら、けんちゃん。いらっしゃい」


声を掛けたのは和服の女将さんらしき女性。


……けんちゃん??
って、今言ったよね。


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