向日葵の逝く先
「――これ、読んでください!」
体育館に続く渡り廊下を歩いていると、そんな台詞が聞こえた。
女の子の声。
どこだろ?
思わず探すと、中庭の隅に男子と女子が立っている。
ちょうど渡り廊下から見える位置だ。
「ずっと渡せなかったんだけど、でも、夏休みに入っちゃうから…」
そう言う女子生徒の手には、ピンク色の可愛い封筒が。
しかも赤いハートのシールが張られている。
あれはまさか。
ラブレターですか!?