向日葵の逝く先
 


うう。

怒ってるんだ。

覗いてたから。


陸くんは何も言わず、わたしから目を逸らした。

そしてそばにあったクズカゴに手紙を投げ入れる。


ピンクのラブレターが、

きっと彼を想いながら綴られたであろうラブレターが、

ゴミと一緒に捨てられる。



「ちょ、ちょっと…」


わたしは思わず陸くんに呼びかけたけど、陸くんは背中を向けて歩き去った。

わたしなんかいないみたいに。


 
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