群青の月
母には、幼い頃から蔑むような視線しか向けられて来なかった。


だから、子供ながらに自分が望まれない子なんだって事は、母からその話を聞かされる前から何となくわかっていた。


それでも初めてその話を聞いた時は、やり場の無い感情が心を支配した。


いつだってあたしを邪魔者扱いする母に、親として何かを求めた事は無い。


だけど、最初から育てる気が無かったのなら何としてでも堕ろして欲しかった、と強く思う。


だって…


そうしてくれていればあたしは生まれて来なくて済んだし、こんなやり場の無い感情を抱く事も無かったんだから――。


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