群青の月
「柚葉」


キッチンで洗い物をしている俺の隣で、洗い終わった食器を拭いている柚葉に視線を遣った。


彼女は俺をチラリと見ただけで、そのまま何も言わずに食器を棚に片付けた。


最近は俺が家事をしていると、柚葉は無言で手伝ってくれるようになった。


以前よりも寡黙になってしまった彼女の真意は、俺には全くわからない。


だけど…


こうして二人で過ごす時間は、まるで恋人同士が生み出す空間のようにも思える。


そんな空気を味わう度に、心のどこかでほんの少しだけくすぐったさを感じていた。


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