愛姫



着飾ったドレスに小さな涙が落ちる。




「・・・っふえ・・・・」




せっかく綺麗に着飾ったのに泣いたら台なし。




不安になる資格も私にはない。




だって私は候補でしかないから。




そう思って長い時間待っていた。




ガチャリと扉の開く音でふと目が覚めた。




寝てた・・・。




「・・・ユア・・・起こしたか?」




「・・・大丈夫です」




するとユアの顔にノディアの手が触れた。




「どうした・・・?泣いたのか?」




恥ずかしくなった。




私は候補でしかないのに。




「・・・ぃ、いえ・・・」




プイと顔を逸らす。




そうしたら、ノディアが少し強引に顔を掴む。




ノディアの栗色の瞳に捕まる。



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