あなたと私
「あ、雨降ってきた……」
え、ホントだ。
傘持ってきてないよー。
「風も強くなってきたね……早く帰ろうか!」
うん!
私たちは急いで家に向かった。
けど……。
「キャッ!」
どうした!?
「あー!帽子がー!」
え!
風で飛ばされた帽子を真子は追い掛けた。
私も急いで後を追った。
白い帽子は風で宙をクルクル舞って、最終的に川の上に落ちた。
そう、同じあの川に。
「夢子、私ちょっととってくるね!」
え!?あ、危ないよ真子!
川の流れ速いし……
ワンピース汚れちゃう!
「大丈夫よ!あそこの川浅いし、私泳ぎ得意し!」
で、でも……。
「それにあの帽子は、おばあちゃんがくれた大事なものだから」
でも万が一溺れたら……。
「大丈夫!すぐそこだし!」