あなたと私


あともう少しだった。
なのに、また“あの子”は否定した。


もう死んでしまおうか。
私の意識があるうちに。


もう疲れた。
早く私にかえして。

本当の夢子は私なのよ?



西高から家までの道のりをトボトボと歩く。


真子……、どうしたらいいの?



信号が赤になり横断歩道で止まった。
このまま進んだら確実に死ねるのね。

でも、自殺だと思われたくないな。
ママに心配かけたくない。
事故ならママも自分を責めないと思う。

あ、でも私とママは似てるから結局は自分を責めちゃうのよね。
真子も事故だっていうけど、現に私自分を責めてるしね……。

でも見殺しにしたのは本当なんだから別に間違ってないもんね。

私を引く運転手さんごめんなさい。


私は信号が赤になる直前、点滅するところまで信号を待った。
そして道路の真ん中で転ぶため、躓いたフリをしド派手に転んで見せた。

けど。





プー!プー!!



「危ないだろ!!気をつけろ!!」

『……はい、すみません』





死ねなかった。





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