あなたと私
気がついたら走っていた。
真子のお母さんに会った記憶はうっすらとある。
私はこの時気付いた。
自分とは違う何かが、自分の知らないところで、自分を動かしていることに。
そして“そいつ”が今行きたいところも。
“そいつ”は、今真子に会いたがっている。
私も会いたい……、真子に会いたい。
でも、“そいつ”はわかっていない。
本当の私の気持ちを。
真子は私が見殺しにしたの。
なのに真子を忘れて生きようとしているの。
そんなのダメ。
本当の私に全て嫌なことを押し付けて現実逃避しようなんて許さない。
思い出しなさい、私!
私は西高に走った。