13回目の好き
恭先生:「うるせぇなお前らは!いたら悪いのか、いたら!」
野中さん:「がぁーーん!!」
恭先生:「早く帰れって。」
新山さん:「誰か教えてくれたら帰るから!」
お鍋の火を止めて、私はリビングの扉の近くに座って、聞いてしまう。
はぁ。…恭先生のスウェット姿、見られたくなかったなぁ。
三角座りして膝に顔を埋める。
恭先生:「…。…吉崎先生だ。」
その答えに、新山さん達3人は大声を上げて驚いた。
一緒に私も驚く。
だって、恭先生、それ言っちゃまずいでしょ!!
恭先生:「うるさいな、お前らは。ほら、帰れよ。」
新山さん:「マジ、ビックリした!」
羽鳥さん:「んーじゃあ学校で聞いて。親父のこととか相談したかったんだ。」
恭先生:「悪いな。親父さん元気か?」
羽鳥さん:「うん、まぁまぁ!」
野中さん:「そっかぁ〜。高木っち、別れたら私がいるからねぇ!」
そう大きい声で野中さんが言う。それって、私に言ってるの!?
…わ、別れないよ!私は!
恭先生:「はいはい。ほら、早く帰れ。じゃあな!」
恭先生はそう無理矢理まとめて、パタンと玄関を閉じた音が聞こえる。