イジワル王太子と政略結婚!?
そして次の瞬間──


私はぐいっと体を引き寄せられ、シーナと向かい合わせにさせられた。


シーナの左手は私の腰に、右手は優しく髪を撫で、頬に固定される。



「シー…ナ…?」


嫌でも見つめ合う体勢になって、私は深緑の瞳から目が離せない。


なに?この雰囲気…


どうしてそんな…熱く切ない瞳で見つめるの?



『お前…ずっと俺に隠してることがあるだろ』


──えっ?


『いい加減俺から逃げるのはよせ』



隠してること?逃げる?


よく意味がわかんないよ。


< 111 / 241 >

この作品をシェア

pagetop