イジワル王太子と政略結婚!?
気がつくと、俺はリリィの手を握ったまま眠ってしまっていた。
彼女もまだ起きていない。
布が乾き始めてるし、もう一回濡らしてくるか…。
そう思って、静かに手を離して小屋を出ようとした時──
『…シ…ナ…』
「…リリィ?」
微かにリリィの声がして振り向くと、うっすら瞳を開け始める。
「リリィ…!」
よかった…気が付いたか。
『行か…ないで……』
俺に伸ばされた手を再びしっかり握る。
「…行かないよ。ずっと傍にいる」
その言葉に、リリィは安心したように微笑んだ。