イジワル王太子と政略結婚!?
『魔物って…どんなの?』

「たしか…暗い場所に潜んでて、それを見た人は命を吸い取られるって」


だから“怪しい森には近づくな”って昔からお父様に言われてきた。


『ふーん…』


何かを考えるように、シーナはその洞窟を見つめる。




すると突然風が強く吹き始めて、ざわざわと木々を揺らす。


なんだか空気の流れがその闇に吸い込まれていってるように感じる。


私は無意識にシーナの腕にぎゅっとしがみついていた。



『…もう日が暮れる。とりあえず今日は小屋に戻ろう』

「うん……」


今度ばかりはおとなしくシーナの言うとおりにすることにした。


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