イジワル王太子と政略結婚!?
「ダメ…っ!」


私はとっさにシーナの腕を掴んで引き留めた。



「聞いたことがあるの、どこかの森の中に魔物が住んでるって。
もしかしたらさっきのは…」

『魔物って…それおとぎ話か何かだろ?』


そうかもしれないけど…。



「実際私たちおかしな所に迷い込んじゃったんだから、何があったって不思議じゃないよ」

『まぁ…それもそうだな』



もう一度洞窟に目をやる。


あの暗闇がどうしても不気味で、私はシーナの腕を掴んだまま離せない。

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