イジワル王太子と政略結婚!?
『なんだよ、結局全部お前の為ってことか?』

『…そうだよ。俺の為だ』



そこまで聞いて、私はお城を飛び出した。


知ってはいけないことを知ってしまった気がした。



私が一人で思い上がってただけだったんだね…。


シーナが必要としてるのは、一人の女としての私じゃない。


“ナスター王の娘のリリィ姫”なのにね──



私はこの時に失恋したんだ。


だからこの想いは捨てないと…

そう思って、必死に自分に言い聞かせた。


“シーナのことはもう好きじゃない”

“私は国の為に結婚するんだ”

って──


< 76 / 241 >

この作品をシェア

pagetop