のらねこ様、カレシ仕様

1 approach


何故か突然、強制送還。

現在、リビングのソファーでクロちゃんと向き合っている。



なんか目で訴えられてるケド・・・・ナニ?





「ちゅー」


クロちゃんいつからネズミになったの。



じゃなく!!!



さっきのセリフを思い返す。

『何言ってるの、こんなヒトの一杯いるトコロで』て

『こんなヒトの一杯いるトコロで何言いだすの』

って意味で言ったんであって

『こんなヒトの一杯いるトコロでキスなんかムリ』

って言ったんじゃないのにぃ~。



クロちゃん、無言のオネダリ攻撃。


うう・・・その上目遣い、私弱いのに・・・。


・・・仕方ない。

助けてもらったお礼だもんね。


私は腹を括った。


コホンと改まって小さく咳払い。



「クロちゃん。さっきは助けてくれてアリガトウ、ね。」


そうっと頬に手を添えて、そろそろと顔を近づける。



ぅぅ・・・私、今、顔真っ赤だ。


心臓ドキドキする。


スキンシップには最近慣れたとはいえ、自分からこんなことするのハジメテなんだもん。







目指すはスルスルのほっぺ。


―――だったのに。
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