のらねこ様、カレシ仕様

スル~・・・っ



後数センチってトコロでクロちゃんが動いた。


唇に頬よりも柔らかなモノが触れる感触。

正面から私を捉える黒曜石。




――――ってぇ!!!


これキス!?



な、なんでクロちゃんとキスしてんのーっ!?


反射的に身を引く。


と、
クロちゃんがその分だけすいっと近づく。

ちょんっと唇を啄ばまれ、更に仰け反る。


そんな事を繰り返して――――


くっ、腹筋限界―っっ!!




パタンとソファーに倒れると、クロちゃんが猫みたいにのし上がってきた。



って、クロちゃん、猫違うっ。

ニンゲンのオトコノコでしょーっ。




慌てふためきながらクロちゃんを見上げて、目を奪われる。


やっぱクロちゃんってキレー。


黒くてサラサラした髪。

闇を凝ったような双眸は吸い込まれそうな魅惑があって。

睫毛長ーい・・・。

今日に至ってはいつもの美貌にヘンな色気が混じってるし。




うっとり見惚れていたら、また唇が塞がれた。
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