歳の差レンアイ、似た者同士。
「タコさんのこと好きなんだろ?」

ぶはっ!!!

飲みかけのビールを思わず噴き出した。

荻原紗英のことを“タコさん”と言ったのは道重。

「わぁぁぁ!イザキくん大丈夫?折角のスーツが…」

慌てて布巾を持ってきたのは道重の妻、柚希ちゃんだ。

今日は学会の手伝いに行って、終わってから道重宅で打ち上げ。

といっても、オレと道重のみ。

学会のために散々こき使われた鬱憤を晴らすための会!!

「ねぇねぇ、タコさんてダレ?」

「たこつぼ心筋症っていう病気の患者。女子高生なんだよなー?」

「じょしこうせい!?」

「犯罪でしょ?」

この夫婦は…。

柚希ちゃんはカワイイから許すけど。

「え、好きなの?」

「違うし!!」

慌てて否定した。

でも、柚希ちゃんは言う。

「好きなら好きでいいと思うけど…。だって、歳の差なんて関係なくない?」

「そんなもん?」

内心ホッとしてる自分。

好きなのか!?

いや、いや違う!!

「高校生の頃ってさ、けっこう大人の男に憧れたりする年頃じゃない?意外といけちゃうかもしれないよ?」

柚希ちゃん…

そうやって心をグラグラ揺らさないでくれーっ!

「柚希…そうだったの?」

「ぇ、あ、違う!私は高1から律ひとすじだからね!?」

「ホントに?」

「ホントホントっ!!」

はい、バカ夫婦ーっ…。
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