歳の差レンアイ、似た者同士。
第4章 新しい出会い

院長 伊崎秀介

***

あれから4年が経っていた。

俺は伊崎総合病院の院長をしていた。

院長とはいえ肩書きだけのもので、経営のことなんて秘書任せ。


「秀介先生…就職試験の面接官ですから、せめて新しい白衣を…」

「え?やっぱダメ?」


秘書が眉をひそめたのは、あまりにも薄汚い白衣だったから。


「で、今日は何の面接だって?」

「ですから、就職試験の…」

「もうそんな時期かー」


渡された白衣に着なおしながら、速足で歩く長い廊下。

人事のことなんてほとんど興味ないから、ただ座ってるだけでいい。

院長はこんな仕事もしなきゃならない。

でも、これは自分で決めた人生。
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