赤い狼 ~連の初めての気持ち~
キッと強く睨みをきかせる。すると、何を思ったのか女は「しょうがないなぁ~。」呟き、自分が持っていたペットボトルの中身を口に含んだ。
何をしてんだ…?
それ、俺に飲めってさっき言ってなかったか?
そう思いながら女の行動を茫然と見る。
と。
「は、ちょ……っ!」
急に目の前に影が。
状況が脳に伝わるのに約一秒。理解するのにたぶん三秒。
かなり時間がかかったが今、何をされているのかは分かった。
俺、キスされてる。
あまりの出来事に体が固まる。
その間、女の舌が俺の歯列をなぞう。それにむず痒さを感じて歯を浮かせればするり、入ってきた女の舌。
しまった、と思った時には遅く、俺の口の中は女の舌で占領されていた。
「…おまっ、やめ…「静かにぃ、」」
反論しようと声を出すが、無意味。
すぐに口は塞がれ、体は更に押さえつけられて完全に自由が奪われた。
そして、女の舌とは対照に冷たい液体が俺の口の中に侵入してきた。気持ち悪くて眉を顰める。