赤い狼 ~連の初めての気持ち~





キッと強く睨みをきかせる。すると、何を思ったのか女は「しょうがないなぁ~。」呟き、自分が持っていたペットボトルの中身を口に含んだ。




何をしてんだ…?




それ、俺に飲めってさっき言ってなかったか?


そう思いながら女の行動を茫然と見る。



と。






「は、ちょ……っ!」






急に目の前に影が。





状況が脳に伝わるのに約一秒。理解するのにたぶん三秒。


かなり時間がかかったが今、何をされているのかは分かった。





俺、キスされてる。




あまりの出来事に体が固まる。



その間、女の舌が俺の歯列をなぞう。それにむず痒さを感じて歯を浮かせればするり、入ってきた女の舌。



しまった、と思った時には遅く、俺の口の中は女の舌で占領されていた。





「…おまっ、やめ…「静かにぃ、」」





反論しようと声を出すが、無意味。



すぐに口は塞がれ、体は更に押さえつけられて完全に自由が奪われた。




そして、女の舌とは対照に冷たい液体が俺の口の中に侵入してきた。気持ち悪くて眉を顰める。





< 25 / 55 >

この作品をシェア

pagetop