Nostalgicな祭りのあとで
やまじいの山
今日は大樹の家から学校まで、大道具の材料を運ぶ予定。

やまじいが木材を提供してくれたのだ。

「やまじいの軽トラは、何でこんなに汚れてんだ?」

荷台についた何かのオイルを拭き取りながら、陸がうっと鼻をしかめた。

タール化した汚れは、拭く度にヘンな薬品の臭いがこみ上げる。

やまじいは何も答えず手を動かし続け、大樹はごめんねと笑って言葉を濁した。
隣で雑巾をかける大樹の横顔が、いつもと違って見える。

陸はそれ以上聞かなかった。

掃除を終えて木材を積み上げ、一通り作業が終わったのは昼前だった。

やまじいの軽トラに全員は乗れない。
子供達は歩いて学校へ向かった。

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