Nostalgicな祭りのあとで
先生の思惑
授業もつまらない。
今日のHRは、夏祭りの役割について。

毎年8月10日に山の鎮守を祈る祭りがある。

神が鎮座するのは裏の山。

この学校は聖地にもっとも近い場所だから、在校生が鎮守の神楽を奉納するという慣習が、受け継がれていた。

演奏者や裏方について、議論する担任の声を、ぼんやりと聞き流し空を見る。

ひと月もすれば夏休み。
そうすれば、煩わしい日常から離れられる。

「じゃあ、演奏者の責任者は山本で、裏方の責任者は日高。櫻サポート頼んだよ。」
いきなり名前をあげられて、陸が立ち上がる。
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