「見る」

「まっこと、肝が座っちゅう女子(おなご)ぜよ」

ついて来てと促されて後を行く。

〈「蟲」の研究室〉

あからさまに怪しい部屋。

「せんせー、「蟲」見せてくれんかのぅ」

ドンドンとノックというか、ドアを壊しそうだ。

「るせぇええええええ」

ガタとドアが開いた。

中からは、ひげオヤジが出てきた。

絵に描いた籠りっきりの研究者だ。

「これが…「蟲」?」

ログは隣で爆笑。

「お嬢さん…見ない顔だね」

ひげオヤジ…めっちゃキレかけ。

「アイリスです」

警戒しつつも名前を伝える。

すると、ヒゲおやじは表情一つ代えずに言った。

「私は…ジャック」

「チャック?」

小首を傾げるとすごい目で睨まれた。

「アリスは最高な女子ぜよ」

「ログ…アリス。来なさい、「蟲」見るんだろ」

ログとお互いの顔を見ると頷いて、後をついて行った。

何重にもされたドアの鍵を開けては進んでいく。

薄暗くて正直気味が悪い。

「ここだ」

大きなドアが開かれた。

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