ドラマチックスイートハート
数日後……
峠を越した由奈は、まだ外が朝を迎える薄明るい時間帯に、ゆっくりと目を開けた。
「コウ……?」
自分の横たわるベッドの隣。
椅子の上で、前のめりに眠っているコウの姿を捉えた。
由奈は弱々しく手を伸ばし、ツンとコウの足の辺りが少し触れた。
それに反応し、彼も目を覚ます。
「あ……あ……」
目に一杯の涙を溜め、コウは笑顔と困惑を含めた顔を見せた。
「どうしたの……? ひどい顔」
髭は伸ばしっぱなし
頬はコケて
疲れが全面に出ていた。
「由奈……!」
そのまま泣き崩れ、優しくとも強く抱きしめてくるコウを見て、由奈はチンプンカンプンな顔で見つめていた