ドラマチックスイートハート
ドラマ撮影……
演技練習……
セリフ覚え……
1日の内、ほとんどがこの様な内容でプライベートを奪われ、ハードなスケジュールが組まれているが、石垣にとったら苦でも何でもない。
自分の夢が叶った今、それを手放さない努力を勤しんでいる。
一通り終えた後、ようやく1日の終わりの睡眠帯に時計の針は示している。
「たまには……飲むか」
自宅ではあまり晩酌をしない石垣だが、明日は休みなので久々に飲むことに決めた。
冷蔵庫には冷えたビールくらいしかない。
それと、今日の晩酌用に買ってきた焼き鳥。
何とも殺風景な冷蔵庫だ。
料理をしない彼にとっては、もっぱらコンビニ弁当が日課となっている。
なので本来買ってくるべき弁当はそこにはなく、明日の事は明日考えればいいと気楽な考えでビールを手に取った。
プシュッ!っと爽快な音を奏で、ビールの泡が口から溢れ出した。
「おとと」
それを軽く吸い込み、フタを完全に開けると豪快に飲み出した。
酒は強くはないが、今日は何本でもいけそうだ。
なかなかの上機嫌の中、更にテンションを上げる好物の焼き鳥に手を伸ばした