ドラマチックスイートハート
続いては、天崎と遠山のシーン。
ゴミを出す天崎が、今度は遠山と会話をする。
「おはようございます」
笑顔でニッコリ話しかける由奈は、ゴミ箱の鳥対策ネットを持ち上げながらゴミを片付ける。
「……」
またもや、とめ吉は返事をしない。
イヤに眼光だけが光っている。
「あ、そちらのゴミも出しますか? はいどうぞ。今日はいい天気ですね」
それでも明るい由奈は気にせず、ひたすら話をする。
「じゃ、私はこれで」
そう言うと、ようやくとめ吉は一声出した。
「……ありがとう、お嬢さん」
由奈がニコッとした後に2人は別れ、遠山はそのまま家に戻る。
そして、縁側で何かのアルバムのような物を広げると、切り抜かれた記事が綺麗に貼られていた。
そこには……
あの5年前の事件の事が……
とめ吉はアルバムを閉じ、由奈の戻ったアパートを目視し続けた。
……
「カット! OK」
おお、流石は一発だ。
迫真の演技を、見せてもらった