変な転校生



 気がつけば私は自分の家の前にいた。家に入り目が腫れていないか確かめてみるといつもどおりの自分の顔が映った。
 本当に今日は変わったことの多い日だ。
 不思議と優介に裏切られたのに心は清々しい。
 ふうとため息をつきながら布団の中に潜り込むとものの数秒で深い眠りについた。
 朝起きると、よく眠れたので目覚めがとても良かった。
 いつもどおり学校の準備をして学校へ向かう。いつものように教室へ入ると、切り刻んだマスコット人形が机の上に置いてあった。 ひどい……お兄ちゃんが初めてもらった給料で買ってくれた大切なものなのに…… 
「おい、可哀想だろ」
 声の主は優介。
 昨日までの私なら優介の登場にホッとしていた。
 しかし今は、優介の行動が偽善としか思えない。
 ガンッ
 突如教室になり響いた音に、教室にいた全員が音のするほうに目を向けた。
 私もつられて音のするほうを見てみるとそこには”変な転校生”がいた。



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