変な転校生



 彼は黙って私を見つめた。
 その瞬間私の中でプチッと何かが切れた。
 その瞬間、壊れたように泣き出した。
 そんな光景にクラスメイトは呆気に取られたように固まった。
 大声で泣き続ける私に罪悪感を感じたのかゴメンと口々に謝ってきた。
 一通り泣いて落ち着いた私をクラスメイトは笑った。
 前みたいに嘲笑うような感じではなかった。
 私もいつしか笑顔になっていた。
 ふと気がついた。
「あれ? 東間君は?」
 私の質問にクラスメイトは不思議そうな顔をして「誰?」と言う。
 誰に聞いてもみんな答えは同じ。
 みんなの中から”変な転校生”東間純の記憶は消えていた……



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