月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~

 私は、晃さんが“心配”だからここにいる。


 そう思ってたけど、違うのかもしれない。


 この晃さんが弱ってる状況で会いに行けば、頼ってくれるのかも・・・。

 必要としてくれるかも・・・。


 どこかでそう思ってたから・・・。



 だけどそんな事は関係ない。


 だって晃さんの言った〈何でここにいるの?〉は、私がここにいる理由を聞いたわけではなかったから・・・。


 〈お前がここにいるはずが無い〉と言うばかりのあの晃さんの嫌そうな顔・・・。

 きっと一生忘れることが出来ない・・・。


 私はそこにいる事自体をを否定されていた・・・。


< 107 / 110 >

この作品をシェア

pagetop