月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~
だけど私の足の速さで誰かから逃げるわけがなく、私は晃さんに捕まった。
『どうした、学校で何かあったのか?』
「・・・離してください」
涙をこらえて出した声は、自分が驚くほど低くて冷たかった。
・・・。
『どうしたんだよ』
「・・・」
『話せば力になるから』
「・・・晃さんには無理」
『そんなの話してみないと、分からないだろ』
「分かる」
『何でそんな事が分かるんだよ』
「だって好きだって言っても晃さんにはどうしようもないじゃん」
『好き?』
『・・・誰が?』
「あき・ら・・さん・・・・ヒッ・・・・ク・・・・」
私はさっきまで必死でこらえてた涙を流しながら、晃さんを抱きしめた。