月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~
「・・・私にはお父さんがいない事は知ってるよね」
「前も言ったけど小さかった時以外、別にお父さんがいなくて気にした事は無いの」
「でもね、このごろ美香と話してるとすごく辛いの・・・」
「会ったことも無い、どんな人かも知らないお父さんの事を考えちゃうの・・・」
「今まで気にした事のない普通だと思っていた自分の毎日が不幸だと思うようになったの・・・」
「今でも美香のことは好き、一番の友達だと思ってる」
「でも父さんや家族の話をしてる美香を見るのは辛い・・・」
「別にキライなわけじゃない」
「むしろ美香と話し始めたばっかりのときはいいなと思ったり、家族はこんなんなんだと思ったりして、楽しかった」
「でも、一人で家にいると思い出しちゃうの・・・」
「自分と比べるの・・・」
「そんな風に思うのは嫌だけど、そう思うの・・・」
「私このままだと逃げて、美香と友達でなくなちゃう」
「そんなのはイヤなの」
「美香とは友達でいたい・・・」
「だからこんな私がいる事もわかって欲しい」
「もし逃げそうだったら捕まえて欲しい」
「美香とは友達でい続けたいから・・・」
私はただ思ってることを言い続けた・・・。