先生と生徒


ガラリとなった職員室に響く入江先生の声。


「悩み…なんてありません」


嘘。
本当はまだ悩んでる。


「本当か?」


「…はい」


「そうは見えないが本人が言うならそうなんだろうな…」


「見えない、ってどういうことですか?」


「悩みが解決したようには見えないな、と言ってるんだが…」


「……そんな事、ないです」


「そうか。ならいいけどな、酒井?今をしっかり楽しめよ」


「はぁ…」


「悩みは自分でしか答えはでないがな、相談は誰にでも出来るんだ。一人で考えるよりも、誰かに話してスッキリしたほうが答えは出やすいぞ?」


「ありがとうございます」


「まぁ、いつでも来い?」


ちょっとだけ"先生"ってものを見直した。

生徒の変化を気にかけてくれる。

相談にのってくれる。


ちゃんと、一人の人として見ていてくれる。


和也の言う通り、入江先生っていい先生だね


そんな事を思い、入江先生に感謝の言葉を述べ、職員室を後にした。


次は入江先生にちゃんと相談しようかな…なんて思いながら、ファミレスへと急いだ。

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