先生と生徒
「やっぱ、先行ってて?」
時計を指でトントンと押さえ、時間がないことを告げる。
「でも、マキ…」
「んじゃ、お言葉に甘えて♪」
華の申し訳なさそうな声の上から良くんの声が重なる。
「良っ!薄情すぎるっ」
「違う違う!…だからさ?いいじゃん?」
否定した後、華の耳元で何かを囁く。
その瞬間、華の顔つきが変わった。
「んじゃ、お言葉に甘えて♪先、行ってるからねーっ」
さっきとは豹変し、コロッと意見を変えた。
「あ、そう…んじゃあっちでね?」
「了解ーっ!
良!行くよっ」
大きく手を振りながら駅のホームに行った。
「和也の、バカ…」
小さく漏れた呟き。